五十肩とは(広義・狭義)
五十肩(広義)=肩関節周囲炎とは
「上腕二頭筋長頭腱炎」「腱板炎」「肩峰下滑液包炎」「石灰沈着性腱板炎」「腱板断裂」「五十肩(狭義)」これらの6疾患を包括した総称です。
肩関節周囲炎=五十肩の鑑別
ヤーガソンテスト
ストレッチテスト—陽性–→【上腕二頭筋長頭腱炎】
スピードテスト
↓陰性
ダウバーンテスト—陽性–→【肩峰下滑液包炎】
↓陰性
ペインフルアークサイン—陽性–→【腱板炎】
↓陰性
ドロップアームテスト—陽性–→【腱板損傷】
↓陰性
【五十肩(狭義)】
不良姿勢から原因となる筋肉を見極める
一般的に待合室などで座っている患者は最も楽な姿勢をとっており、肩関節に変性がないにも関わらず不自然な姿勢をとっている場合は、痛みの原因となっている筋肉を伸ばしている可能性が高いです。
座位の姿勢から肩甲骨の状態を確認する
[内旋位=外旋筋の伸張姿勢]棘下筋、小円筋に障害
[外旋位=内旋筋の伸張姿勢]大円筋 肩甲下筋に障害
[挙上位 いかり肩]中部下部僧帽筋、小胸筋に障害
[下制位 なで肩]上部僧帽筋、肩甲挙筋に障害
寝ている姿勢から肩甲骨を確認する
[肩甲骨の挙上]
背臥位の際に肩甲骨がベッドから離れている場合、大胸筋・小胸筋などの短縮の可能性が高い。
[肩甲骨内側挙上=翼状肩甲骨]
腹臥位の際に、肩甲骨内縁が挙上しているときは、上部の僧帽筋・肩甲挙筋・肩甲下筋などの短縮、または前鋸筋の機能低下が疑われる。
五十肩(狭義)とは
上腕二頭筋長頭腱炎、腱板炎などに発生した炎症が、これらの組織に限局せず周囲組織に広く波及し関節拘縮にいたったもので、長頭腱炎や腱板炎の進展像または終末像ということができます。
五十肩の病態が単一の要素から成り立っているものではなく、複数の病態の混在を意味します。
五十肩の発生原因
病因は不明であるが、大きく分けて主に2つの説が提唱されています。
出端昭男著「開業鍼灸師の診察法と治療法5(五十肩)」によると、腱板ルート説が84%、上腕二頭筋腱ルート説が16%と記されています。
大部分は棘上筋腱の変性に起因
この変性が特定の限界まで悪化すると生体に備わった修復機能が作動し始め、炎症が生じ、いわゆる腱板炎の状態になります。
さらに進行すると炎症は関節包の内層に波及し滑膜炎になります。
一部で上腕二頭筋の長頭腱炎に起因するものもある。
この長頭腱炎から五十肩への進展のメカニズムも腱板炎起因の五十肩同様、長頭腱の炎症が腱板、肩峰下滑液包、関節包などに波及し、さらに関節滑膜に浸潤するという機序で説明されています。
これらの二つのルートは炎症の起点も発症の仕組みもやや異なりますが、炎症が拡大されて五十肩に進展した状態では相互に移行したり、また重複したりしてほとんど同じような病態を呈しています。
このページは、千里堂治療院第65回研修会資料をもとに構成しました。
-参考-
出端昭男著『開業鍼灸師のための診察法と治療法5(五十肩)』医道の日本社/坂本歩監修『ポケット鍼灸臨床ガイド』アルテミシア/伊藤和憲著『はじめてのトリガーポイント鍼治療』医道の日本社/Andrew Biel著『ボディ・ナビゲーション』医道の日本社/大野弥・玉井和哉著『痛みと臨床1(1)「肩から上肢帯に痛みを訴える骨・関節疾患」』先端医学社/佐藤正人著『医道の日本第771号 特集「五十肩と発症から寛解までの全経過と治療法」』医道の日本社/美根大介著『医道の日本 第778号「東大式鍼灸治療の実際7」』医道の日本社/設楽仁・小林勉・山本敦史・高岸憲二著『JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.18 No.8 特集「リハから見た五十肩」』医歯薬出版/稲森耕平著『治療 Vol.85 No.7「こり(頚部痛、腰背部痛)と五十肩(肩関節周囲炎)」』南山堂
五十肩のための鍼灸治療は
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子宝鍼灸(不妊専門治療)・痔の専門治療・妊娠中の方のための専門治療は予約電話の番号が異なります。
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