ふくらはぎの働きとケア
第52回研修会資料より
ふくらはぎの構造
ふくらはぎは下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)によって構成されています。
ふくらはぎの役割とふくらはぎケアの重要性
東洋医学・西洋医学いずれの視点で考えても、ふくらはぎは全身の健康を保つために重要な役割を担っていることに違いありません。
A.ふくらはぎは下半身の血流とリンパ循環の要です。
≪循環が悪くなると≫
むくみ、静脈瘤、足がつる、冷え、こり、痛み、疲れやすくなる
さらには、免疫力低下、自律神経バランス×、代謝×
⇒ふくらはぎをケアすることにより、これらの症状を改善できる!
B.ふくらはぎは筋膜網を通して全身とつながっています。
≪筋膜網≫
全身にあるいくつかの筋肉を機能的に統合する筋膜の集まりのことです。日常生活では、特定の筋肉だけが孤立して働くことはなく、筋膜網を通してつながっている他の筋肉にも筋緊張や運動が伝達されます。
「浅後線」(ふくらはぎが含まれる筋膜網の経線)
=足底腱膜~アキレス腱~腓腹筋~ハムストリング~仙結節靭帯~脊柱起立筋~帽状腱膜
⇒ふくらはぎケアの影響は、全身の筋肉に及ぶのです!
C.東洋医学的に言うと、ふくらはぎは気の循環にも大きく関わっているとされます。
気とは、東洋医学で言うところの生命活動の源泉であり生命エネルギー。
⇒ふくらはぎケアにより、気のめぐりが改善し、精神状態も良くなる!
ふくらはぎケアの方法
鍼灸
・冷えやむくみに対するアプローチとして鍼灸は非常に有効です。
マッサージ
・足底ほぐし~アキレス腱まわり~膝窩。広くふくらはぎを施術。
・オイルやパウダーによるマッサージ(求心性に軽く流すイメージ)も効果が あります。
ストレッチ
・伏臥位や仰臥位で、腓腹筋やヒラメ筋をストレッチするとよい。
・相反性神経支配に基づくストレッチ
※相反性神経支配とは、主動筋が緊張(収縮)しているときには、反対側の拮抗筋がリラックスするように神経が調整する働きのこと。
セルフケア
・足首まわし
・青竹ふみ、ゴルフボールふみ
・底屈&背屈運動
・膝によるマッサージ(寝てorイスに座って)
・つま先立ち
・屈伸
こんなふくらはぎ、あんなふくらはぎ
良いふくらはぎ
・冷たすぎず熱っぽくなく、温かい
・弾力がある、やわらかい
・皮膚にハリがある
・奥にしこりがない
悪いふくらはぎ
・冷たい、熱っぽい
・ふにゃふにゃ、ガチガチ
・むくんでパンパンに張っている
・しこりがある、押すと痛い
・指の跡が残る
<不調のサイン>
・熱くてかたい→高血圧
・熱くてかたくない→急性炎症、かぜ
・冷たくてかたい→冷え症、婦人病、自律N×
・冷たくてやわらかい→糖尿病
・冷たくてやわらく弾力ない→腎臓病
このページは、千里堂治療院第52回研修会資料をもとに構成しました。
-参考-
伊藤和憲著『はじめてのトリガーポイント治療』医道の日本社/大谷由紀子・小池弘人著『ふくらはぎをもむと超健康になる』マキノ出版/鬼木豊著『免疫力がつく ふくらはぎマッサージ』日本文芸社/関博和著『「ふくらはぎを温めるだけ」で全身健康になる!』講談社/トーマス・マイヤース著『アナトミートレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線』医学書院社
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