痔の快復症例

痔の快復症例(写真あり)

掲載している写真はあまり気分の良いものではありません。
「痔の肛門写真など見たくない」という方はこのページは見ないでください。(写真は、ご本人に承諾を得て特別に撮影・掲載させていただきました。)

症例1

私どもの治療院に来られた女性(27歳)のお尻です。

肛門科で、「もっともひどい状態。手術以外手のつけようがない」と言われたそうです。
確かに内痔核が脱出し、そのまま戻らなくなっています。
これでは、どこが肛門なのかもよく分かりません。
ご本人も痛みが激しく、もらった軟膏も効かないので夜も眠れないのだとおっしゃっていました。

千里堂治療院での、この方の治療経過です。

1回治療後

このような、若い方の急性症状は、劇的に快復するケースがよくあります。
この方の場合も、たった1回の治療で痛みは激減しました。

3回治療後

痛みはまったく消失しましたが、まだ排便後の脱出があります。
肛門を囲んでいる括約筋がゆるんでしまっているので、脱出を納めてもすぐに戻ってきます。
週1回の治療を継続しました。

この方の場合は、3か月ほどの治療で完全に快復し、その後も再発をしていません。

便秘や下痢で体調を崩すと一気に痔が悪化することがありますが、適切な治療を受ければ快復も早いものです。

「医師に勧められるままに手術しないでよかった」と喜んでいただけました。

症例2

さらにもう一人ご紹介しておきます。

前述の方のように簡単に治ってくれるケースばかりではありません。

痔は慢性病であり生活習慣病とも言えます。
長年かかって悪化した方の場合は、良くなったり悪くなったり、快復の道のりも平坦ではありません。

これも内痔核の脱出です。
この男性(42歳)も肛門科では「即 手術」と診断されたそうです。
便器が真っ赤に染まるような出血も経験しています。

出血は全身に影響する重大な症状です。

わずかな量であっても継続的に血を失うことは重篤な結果を招くこともあります。

ですから、「1か月の治療で少なくとも出血が止まらない場合は、私どもでの治療は断念してください」とお約束した上で治療を開始しました。

1か月後

1か月後、はじめの頃に比べれば脱出はおさまってきています。
出血も無事止まりました。

その後は一進一退の状態が続きましたが、半年の治療で無事快復しました。

症例3

最後は、1回の治療ではっきり変化のわかる例です。

治療前

脱出があります。
写真ではわかりにくいですが、出血もしています。
脱出を納めようとしても痛いばかりで納まりません。

治療後

脱出はきれいになくなりました。
これで完治したわけではありませんが、手術する必要のないことは確かです。

手術しなくてよかった痔の症例集

痔核(いぼ痔)も裂肛(切れ痔)も痔も、肛門科で手術しないでよかった症例集

ここでは、鍼治療が功を奏した症例をいくつかご紹介します。

痔は生活習慣に根差した病気です。
そして、あなたの生活習慣はあなただけのものであり、つらいと思う痔の症状も、他の人とは違うと思ってよいのです。

ここに紹介したものは、あくまでもひとつの症例だと言うことをご理解ください。

症例1・37歳女性

悪化した内痔核で来院。

一週間くらい前に激しい出血があり、便器が真っ赤になった。
特に痛みはないが、排便すると出血と脱出がある。

治療

この方は表情も明るく、痔であることを除けば健康そのものに見えます。

しかし、先入観は禁物。

話を聞いてみると一年ほど前から胃がもたれるようになり、胃カメラを飲んで胃炎の診断を受けたそうです。
薬で胃酸を抑えてきたようですが、薬にばかり頼っていては体の自然快復力は眠り込んだまま働くことをやめてしまいます。
薬漬けの生活から脱出することも、痔の治療と並行して目標に掲げました。
胃の脊髄断区にあたる第六~第十胸神経を考慮した治療点の選択も必要になります。

どの場所に対する施術も痛くはありません。
それどころか、回を重ねるごとに鍼治療にも慣れてこられ、気持ちよくて治療中スヤスヤと眠ってしまわれるようになりました。

ただし、思いつくままに治療していっても効果はあがりません。
いたずらに鍼の数や施術時間が増えると逆効果にもなります。
治療後、全身がだるくなってしまうことがあるのです。

どのようなはりを使い、どこにどうやって打つかの決定はとても難しい問題です。

この患者さんの出血は、初診時の一回の治療でぴたりと止まりました。
これにはご本人も驚いておられました。

しかしそれで治療をやめてはいけません。
一時的な快復に過ぎないからです。

3か月後には排便時の脱出もほとんどななくりました。
仕事も旅行も何の障害もありません。
胃炎もすっかり快復し毎朝快食快便の暮らしを手にいれておられます。

症例2・30歳女性

裂肛

排便時に痛み、出血もある。
肛門に何かできているようだ。
若い頃からで、この状態がいつからだったかも、はっきり記憶にない。

治療

裂肛(切れ痔)に痔核を合わせ持っているようです。
毎日便通があるものの、硬い便をいきんで出している様子で、長年の蓄積で悪化してきたようです。

治療を始めてすぐに、便通は整い、とても楽になったということです。

しかし、それでも疼痛と出血は続き、思っていた以上にキズが深いようでした。

便通を保つことができないと、せっかく治療を重ねても、また悪化するだけなので、生活全般から「冷え」を排除し、自己快復法を続けていただきました。

1週間ごとに続けた治療の8回目に突然、痛みも出血も消えました。

このように、なかなか快復しなかった症状が、ある時点で突然消えることがあります。
はり治療では、快復が一気に加速する瞬間があるのです。
一回ごとに平均的に改善していくのではなく、平坦だったり、少し波のある状態から、ぐぐっと良くなる時点があるのです。
不思議としか言えません。

ご本人の強い希望で、3ヶ月ほどは「1か月に1回」様子を見ながらの治療を続けましたが、すっかり快復してそれも打ち切りとなりました。

症例3・45歳男性

痔瘻

肛門から数センチのところに穴が開いている。
体調が悪化すると腫れて痛む。
若い頃からずっと、発症しては苦しみ、やがて治まるという繰り返しだった。

治療

体調が悪化すると発症することを、ご本人が自覚しているわけで、全身状態をコントロールすることが治療上も大切なポイントになります。

悪化した状態というのは炎症を起こしているので、そのような急性期の治療よりも、落ち着いた時期に「悪化させない」治療をおこなうことの方が大切です。

「手術にまで至らない」ことを主眼にします。

週1回の治療を3ヶ月続けました。
いつもなら1~2ヶ月に一度は悪化して膿が出ていたのが、そのようなこともなく良好だと喜んでいただきました。

はり治療で免疫力を高めることで炎症の再発を防ぐことができるのです。
何よりも手術せずにすむということが大切なことです。

その後は治療を一度打ち切り、「悪化しそうな気配があったら早めに受療する」ということになりました。

症例4・43歳女性

注射療法で痔核を除去したが、肉が上がってこない。

皮膚の再生もなく傷口が露出したままで、じくじく痛む。
不快で夜も眠れない。

治療

肛門科で痔核を除去して既に十日経ってからの来院でした。
このような患者さんに出会うと本当に心が痛みます。
手術の前にもっとできることがあったのではないかとつくづく思うのです。

治療には、当然全身調整が必要です。
お尻だけの問題ではありません。

また、傷の快復を早めるためには、患部周辺の血行やリンパの流れを改善してやることが必要です。

施術の効果は早く、初診翌日には痛みが半減したと喜んでいただきました。
三日連続して通っていただき、三日目には痛みが消失、皮膚の再生が見られました。

その後数回の治療で完治し、治療を終了しました。

症例5 68歳男性

十年前に痔核の手術をした。

術後、お尻の締まりが悪くなり、いつも肛門周辺が粘液で濡れていて気持ちが悪い。
婦人用の生理パットを当てて生活している。

治療

どのような手術が行われたのかはわかりませんが、術後障害に悩む方の中には、お尻の締まりの悪さを訴えるケースも多いようです。

もっと早く適切な治療を受ける機会があれば良かったのですが、長い間人知れず苦しまれた生活が察せられます。

鍼治療は人間が持っている自然快復力を強力にサポートしてくれます。

では、その自然快復力とはどのような方向に働くのかというと、「あなたの本来あるべき姿」に戻る方向に、体の状態を持っていこうと働くのです。

十年という年月にも関わらず、この方の肛門括約筋がきちっと締まることを忘れていなかったことは幸運でした。

たるみきって働くことを辞めてしまっていないだろうか?
あるいは、快復不可能なほどに深く傷付けてしまっていないだろうか?
と、治療する側も心配していたのです。

結果は、週1回、計5回の施術でお尻の締まりはきりりと良くなり、悩みは解消してしまいました。
男性でありながら生理用パットが手放せないというつらい生活にも無事ピリオドが打たれたのです。


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