脳梗塞について

脳梗塞とは

脳梗塞とは、脳を栄養する動脈の血行不良により、酸素や栄養を受けている神経細胞が死滅することでさまざまな症状をきたす病気です。

脳梗塞は、脳卒中のうちのひとつです。
一時的に血管が詰まる一過性脳虚血発作(TIA)は、24時間以内にもとの状態に戻るため、原則として後遺症を残すことがなく、脳梗塞とは区別されます。
しかし、原因が取り除かれない場合には再発することもあり、やがて脳梗塞となる危険性があります。

脳梗塞は、以下に分類できます。
・ラクナ梗塞
・アテローム血栓性脳梗塞
・心原性脳塞栓症

かつては脳卒中の4分の3を「脳出血」が占めていましたが、近年その割合は著しく減少し、代わって「脳梗塞」が増え、2006年には60%を占めるようになりました。
その理由として、高血圧対策の普及と生活習慣の変化による糖尿病や脂質異常症の増加が考えられています。

日本では欧米に比べてラクナ梗塞の割合が多い傾向がありましたが、脂質異常症や糖尿病の増加に伴って、アテローム血栓性梗塞が増えています。
また、高齢化にともない心房細動の患者さんが増加しているため、心原性脳塞栓も増えてきています。

原因

脳梗塞の原因は、タイプによって異なります。

ラクナ梗塞

脳の細い血管が詰まることで起こります。

アテローム血栓性脳梗塞

比較的太い血管が動脈硬化により詰まることで起こります。

心原性脳塞栓症

心房細動などの不整脈が原因で心臓の左心房でできた血栓が脳の血管を詰まらせることで起こります。

脳梗塞のリスクファクター

脳梗塞のリスクファクターは以下の通りです。
・食生活の欧米化(メタボリック症候群)
・過剰な塩分摂取
・運動不足
・糖尿病
・脂質異常症(高コレステロール血症、高トリグリセリド血症)
・喫煙
・大量の飲酒
・ストレス
・心房細動などの不整脈
・加齢


脳梗塞の症状

代表的なもの

脳梗塞は突然発症します。
放置すると、ほぼ永久的に麻痺や感覚障がいなど生活に支障をきたす重大な後遺症を残すことがあり、最悪の場合には生命にかかわる事態になりえるため、初期症状を知ることが極めて重要です。

初期症状として比較的はっきりと現れるのは、
・顔が歪んで、表情がつくれなくなる
・片腕や片足が動きづらくなり、歩きづらくなる
・ろれつが回らなく、言葉が出てこなくなる
といったもので、家族や友人などに指摘されることも発見のきっかけにもなります。

また、脳を栄養する血管のうち、どこの動脈が詰まるのかによって症状が異なります。

分類別の症状

ラクナ梗塞

脳のどの部分に発生するかによって違いはありますが、梗塞を起こした場所次第では無自覚で無症状です。
そのため「無症候性脳梗塞」とも呼ばれています。
しかし、発生する部位によっては軽い手足の麻痺や痺れ、眼の障がいなどが起こることもあります。

アテローム血栓性梗塞

右半身もしくは左半身の麻痺である「片麻痺」や、声を出すことが困難になる「構音障がい」などを引き起こすことがあります。
また、物事を正しく理解したり、周囲の刺激に対する適切な反応が損なわれたりするなど、認知面や精神面(心理)に問題が発生することもあり、文字が書けない、計算ができないなどの症状や、「半側空間無視」と呼ばれる左右がわからなくなる症状、衣服が着れない、性格や人格が変わってしまうなどさまざまな障がいがみられる場合が多いです。

心原性脳塞栓症

最も恐ろしい脳梗塞と言われています。
広い範囲に血液の流れが途絶えてしまうため、強い麻痺や感覚障がいが起こる場合が多く、アテローム血栓性梗塞と同様の症状や意識障がいも強くなる場合があります。
また、呼吸など生命維持に必要な脳幹部で梗塞が起き細胞や神経が損傷されると、命に危険がおよぶことになります。

検査・診断

脳梗塞は放置すると、時間経過とともに後遺症の程度がどんどん悪化しうる危険な病気です。
そのため、脳梗塞を疑う症状を自覚したときには、迷うことなく病院へ行き、すぐに検査を受ける必要があります。

頭部CT、および脳MRIの検査で、まず脳卒中が起きているのかどうかを確認します。
特に、脳MRIの核酸強調画像(DWI)で高信号を認めることが確定診断のひとつとなります。
梗塞が生じている範囲から、どの辺りの血管が詰まっているかを予測できますが、詰まっている箇所を確定するために血管内カテーテルを用いた脳血管撮影を行うこともあります。


脳梗塞の後遺症

脳梗塞は脳の血管が血栓などによって詰まり、脳に「酸素」や「ブドウ糖」が行き渡らなくなることで脳の細胞が死んでしまう病気で、その壊死の部位や範囲、程度によって運動や言語、視覚などさまざまな障がいが残る場合があります。
その損傷された脳の部位によって、どんな後遺症が残るかが決まると言っていいでしょう。

残念なことに、一度死んだ脳神経や脳細胞は復活することはありません。
発症初期の段階で重い症状が出ている場合は、後遺症が残ることを覚悟しなければなりません。

脳梗塞の後遺症は「運動障がい」「感覚障がい」「構音障がい」「高次機能障がい」などが多くの場合起こりますが、その一部またはすべてが後遺症として残ることがあり、脳梗塞の症状同様に百人百様です。

運動障がい

脳の運動を司る部位が損傷されると、日常生活で手足を動かすことが困難になる場合があります。
片麻痺や半身麻痺が起こり、手足の動きのコントロールが利かなくなることで、歩く事や、階段を上る事、箸を持つ事など日常生活のさまざまな行動ができづらくなります。

また、喉や舌の筋肉に影響が残ると、ろれつが回らなくなったりするなど、発声に問題が残ったり、物を飲み込んだりする「嚥下」ができなくなり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

感覚障がい

感覚を司る神経は、運動神経と密接に関係があり、片麻痺を起こした場合、同じ側に感覚障がいを起こす場合が多くなります。
手足が痺れたり、物に触っても感覚がなかったり、温度を感じなくなるなど感覚が鈍感になったりすることがあります。

構音障がい・失語症

喉や舌の筋肉の問題による発声だけでなく、脳の言語を司る部分が損傷してしまうと、言葉や文字の理解ができなくなる事があり、喋れない、文字が書けないなど、意思の疎通が難しくなることもあります。

高次機能障がい

大脳皮質など脳細胞の物理的な損傷によって、高次脳機能障がいが引き起こされ、脳の機能が低下して、さまざまな神経や心理学的な障がいが残ることがあります。

これは「認知障がい」とも呼ばれ、記憶、学習、思考、判断などの認知過程に問題が起きて、記憶が失われたり、新しい出来事が覚えられなくなったりする「記憶障がい」、集中力が低下することによってミスが多くなる「注意障がい」、ものごとを実行することができなくなる「社会的行動障がい」、興奮したり暴力を振るうなどの「社会的行動障がい」が起こることがあります。


脳梗塞の前兆

脳梗塞は「FAST」が肝心。サインを見逃さないようにしましょう。

脳梗塞に対するイメージから「意識を失って倒れる病気」と思いがちですが、それは症状の一部です。
倒れなくても必ず何かしらの異変(サイン)が訪れます。

多くの場合、右半身か左半身の手足に力が入らなくなったり、痺れたりする運動麻痺が起こります。
この運動麻痺は顔面に起きることも多く、顔の右半分や左半分が下がったりして歪んだ表情になります。
このように麻痺や痺れが身体の半分に起こった時は、脳梗塞の可能性が非常に高いと言えます。

また、ろれつが回らなくなったりする「構音障がい」や、喋れなくなってしまったり、言葉や文字が理解できなくなる「失語症」なども脳梗塞の症状の一つです。

さらに、意識が低下したり、めまいがして身体のバランスが取りにくくなったり、吐き気を感じたり、急に目が見えにくくなったり、二重に見える場合なども脳梗塞が疑われます。

このような症状をひとつでも感じたら、夜中であろうと休日であろうと、ただちに119番に電話して救急車を呼び、脳梗塞の専門医がいる病院まで搬送してもらうことが大切です。
大げさだと思わずに、ぜひ救急車を呼んでください。
また、救急隊員にはいつまで普通の状態だったかの「発症時刻」を伝えるようにしてください。

Face(顔)・Arm(腕の麻痺)・Speech(言葉の障がい)・Time(迅速な対応や発症時刻)の4つ「F・A・S・T」を、ぜひ覚えておいてください。

気になる異変があったら診察を

近年、日本人の死因のトップはがん(悪性新生物)ですが、次いで多いのが心疾患、第三位は脳血管疾患で、このふたつはいわゆる動脈硬化性疾患です。
そして、脳血管疾患の主なものとして脳梗塞があげられます。
高齢化社会が進むなか、脳梗塞の予防は元気に老後をおくるためにとても大切です。

さらに食生活においても見直しが必要です。
高血圧に気をつける必要がありますから、「減塩」を心がけましょう。
目安は1日10グラム未満。
ただし、すでに高血圧と診断されている人は、6グラム未満におさえましょう。
減塩しょう油を使ったり、酢や柑橘系で味付けするなどの工夫をしてみてください。
香辛料やハーブなどを利用するのもいいでしょう。

また、血液の流れを悪くする悪玉コレステロール対策しメニューを工夫してみましょう。

さらに適度な運動も欠かせません。
長く続けるためには、あまり負担にならないウォーキングやジョギング、水泳などがおすすめです。
これらのいわゆる有酸素運動(たくさんの酸素を使って長時間続ける運動のこと)には、脂肪を燃焼させる働きがあります。
特にウォーキングは、「歩く」という日常の動作ですから、すんなり始められるでしょう。
脂肪を燃やすことはもちろん、悪玉コレステロールを減らし、血液量が増えるため血管の弾力性の強化にもつながります。

動脈硬化には自覚症状がありません。
ですから健康診断で脂質異常症や動脈硬化と診断されても、放置してしまう人が多いのです。

発作が起こってしまってからでは遅いのです。

脳梗塞を発症後、「寝たきり」になってしまう人も少なくないです。
食事・運動など日常の生活習慣に気をつけるだけでも予防効果は大きいです!
元気に老後を過ごすためにも、今すぐ生活習慣の改善に努めると良いでしょう。

>脳梗塞後遺症のための鍼灸治療

このページは、千里堂治療院第113回研修会資料をもとに構成しました。
-参考-
循環器病情報サービスHP/介護総合情報サービスHP MY介護の広場/OMRONHP/メディカルノートHP/総合東南北病院HP

脳梗塞後遺症のための鍼灸治療は

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千里堂の治療は、鍼を刺して寝かせておくだけのような治療ではありません。
「つきっきりで丁寧な治療」という方針でおこなっておりますので、必ず電話予約の上ご来院ください。


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