代謝UPへのアプローチ

第58回研修会資料より

代謝UPとともにメタボ・便秘解消へ

代謝(metabolism)とは?

体内のさまざまな化学反応によって、食物から摂取された栄養素を吸収し、 最終的に対外に排泄する一連の過程や現象をいう。

代謝症候群=メタボリックシンドロームとは?

生活習慣病(肥満症・高血圧・高脂血症・糖尿病)などの「内臓脂肪型肥満」によって引き起こされる動脈硬化への危険因子を複数併せ持った状態のこと。

メタボリックシンドロームの診断基準

①腹部肥満:男性85cm以上、女性90cm以上
②高脂血症:中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満
③高血圧:収縮期130mmHg以上 拡張期85mmHg以上
④高血糖:空腹時110mg/dl以上

①に加え②~④が二つ以上当てはまる場合

女性のメタボリックシンドロームの特徴

・高血圧、高脂血症、糖尿病のほか、脂肪肝、多のう胞性卵巣症候群、脳血管障害、肝臓がんなどの疾患と関連がある可能性が高い。
・LDLコレステロールが高い:内頚動脈分岐部の病変
 中性脂肪が高い:内頚動脈球部の病変
 ※動脈硬化のおこる部位が違う

・10年前に比べカロリー摂取量は減少しているが患者数は増加
 →炭水化物・ショ糖摂取過剰
 →脂肪酸のバランスの偏り
 →運動不足

メタボリックシンドロームと内臓脂肪蓄積

内臓脂肪は・・・

単にエネルギーの貯蔵庫だけでなく、体内の生理機能を調節する因子(アディポサトカイン)を産生する重要な内分泌臓器でもある。
アディポサトカインには、アディポネクチン・レプチン・TNF-α・PAI-1・レジスチン・ビスファチンなどがあり、これらは内臓脂肪蓄積状態では分泌量や分泌パターンに異常をきたし、メタボリックシンドロームの病態形成に関与すると考えられている。

  • アディポネクチン
    血管壁に作用して動脈硬化予防に働く。
    内臓脂肪蓄積により減少する。
    減少するとインスリン抵抗性があがる。
    インスリンが効きにくい。
     →卵巣機能が悪くなる、排卵障害、卵質低下、流産
    一部の降圧剤、糖尿病薬に入っている。
    閉経前閉経後の変化はない。
  • レプチン
    内臓脂肪より皮下脂肪から多く分泌される。
    視床下部食欲中枢に作用して食欲を抑制する。
    交感神経刺激作用でエネルギー消費を増加させる。
    閉経後に減少する。

肥満症の薬物療法

マジンドール:食欲抑制作用(BMI30以上で保険使える)
防風通聖散:交感神経持続活性(コッコアポ・ナイシトール)

食の面から考える

  • 糖質
    果糖過剰摂取→肝臓に蓄積→高中性脂肪・高尿酸血症の危険性
  • 脂質
    飽和脂肪酸(牛乳・バター・肉の脂)は抑えめに
    一価不飽和脂肪酸(オリーブ油)は良い
    多価不飽和脂肪酸
    →ω6系(紅花油・コーン油・ゴマ油・レバー・甲殻類)は、過剰摂取でHDLコレステロール減少やアレルギー症状を悪化させる可能性がある。
    →ω3系(しそ油・えごま油・青身魚)は、心疾患予防やアレルギー症状を抑える。
  • コレステロールは食物繊維と一緒に摂取すると吸収率がさがる。
  • 帰宅が遅い場合は夕方に炭水化物、夜におかず。
  • 野菜スティックやスープなど、なるべく100Kcal以内におさえる。
  • 果物をとるなら朝。
  • アルコールは休肝日を設ける。
  • まとめ食いはNG

運動の面から考える

  • 身体を動かさないと・・・
    ①少し動いただけで動機息切れがする。
    ②抵抗力が弱くなる。
    ③脂肪はたまり筋肉量は減るので体を動かしづらくなる。
    ④姿勢を保つ筋肉量も減り姿勢が悪くなる。
    ⑤活動量が減るので身体を動かすことで分泌される。ホルモン量が低下して実年齢より老けてしまう。
  • 身体を動かすことは「神経系」と「ホルモン系」を賦活させることになる。
  • 運動してもなかなか痩せられない理由は脂肪燃焼する運動強度が個人で違うから。
  • 脂肪はゆっくりとした運動でエネルギーとして使われる。(運動負荷試験より)
    →なぜゆっくりとした運動がいいのか?
    筋肉収縮時に筋肉内や周辺の血管群(主に静脈)が圧迫されて血流がゆっくりとなる。血管内の量が減少すると視床下部が察知して下垂体を介しホルモン分泌を促す。例えば成長ホルモンは中性脂肪分解に働く。
  • 手軽なのは「ウォーキング」(20~40分程)。
    その時動かしている筋肉を意識するだけで「神経系」を活発にできる。「少しお腹がすいたかな?」の時が脂肪燃焼のベストタイミング!!

脳の面から考える

  • 脳内神経伝達物質モノアミン
    →間脳(視床)、中脳、橋、延髄からなる脳幹で作用する。
    血圧、脈拍、呼吸、体温、排尿など、無意識活動に関連する物質。
    ①ノルアドレナリン(闘争)②セロトニン(安心)③ドパミン(快楽)

    ①ノルアドレナリン(闘争)
    →交感神経―副腎髄質系、TSH(甲状腺刺激ホルモン)
    →覚醒、血圧上昇、脂肪分解
    →心臓、肺、筋肉、感覚器
    →(東洋医学にあてはめると)心経、肺経
    →足りなくなると「コーヒー」などを欲する。

    ②セロトニン(安心)
    →視床下部―下垂体―副腎皮質系(ACTH)、ADH(抗利尿ホルモン)
    →情動、体温血圧調節、消化管の蠕動運動調整
    →肝臓、胃、大腸
    →(東洋医学にあてはめると)肝経、脾経
    →足りなくなると「タバコ」などを欲する。(代替品=メンソール系)

    ③ドパミン(快楽)
    →視床下部―下垂体―性腺系(LH/FSH)、GH(成長ホルモン)、PRL
    →運動姿勢調節、錐体外路系(無意識の筋調整)
    →成長、生殖器
    →(東洋医学にあてはめると)腎経
    →足りなくなると「お酒」などを欲する。

  • 症状と照らし合わせてみる
    →気虚(疲れやすい、日中の眠気、食欲不振)=ノルアドレナリン低下
    →気うつ(頭重、ノドつかえ、胸つまり感)=セロトニン・ノルアドレナリン低下
    →気逆(焦燥感、驚く、冷えのぼせ、動悸)=ノルアドレナリン・ドパミン過剰
    →血虚(睡眠障害、過少月経、こむら返り)=ノルアドレナリン低下
    →お血(目周りシミ、舌下暗赤色、臍周り圧痛)=ノルアドレナリン過剰
    →津虚(多尿、胃もたれ、消化不良、便秘)=セロトニン低下
    →水滞(むくみ、めまい、夜間頻尿、下痢)=セロトニン過剰

鍼灸マッサージでアプローチする

  • 代謝をスムーズにするためには、腹部の状態がカギ
    →直接的に刺激を与えることで便秘解消へ
  • 大腿内側部の脂肪=経絡やリンパへのアプローチ
    →マッサージでもみほぐす
  • 女性の代謝異常には「セロトニン過剰」タイプが多い
    →肝、脾経へのアプローチ

このページは、千里堂治療院第58回研修会資料をもとに構成しました。
-参考-
鳥居伸一郎著『体質がわかればいらない薬がみえてくる』幻冬舎ルネッサンス/図説カラダ大辞典①『メタボリックシンドローム』金沢歯科大学出版局


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