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整体の世界に学ぶ(第100回研修会資料より 2017年)


● 整体の世界に学ぶ ●

『さまざまな整体理論の紹介』
=操体法=
操体法は、医師・橋本敬三氏によって研究され体系化された自然療法で、薬も機械も使わずに患者が自分の動きで自分を治す「自力療法」である。
実技的なことだけではなく「生き方の自然法則」を「食・息・動・想の同時相関の体系」ととらえて、逸脱して歪み崩れた状態を整えることが理念にある。
操体法は、あくまで筋肉系統を対象に治療が行われ、骨格構造のバランス調整が主体である整体療法とは大きな違いがある。


=姿勢均整法=
姿勢均整法は、亀井進氏によって研究され考案された療法で、自他動作法によって身体のバランスを調整し、身体の保健管理および疾病の治療を行う療法。
均整法は十二種姿形と三大原則(平衡、可動、強弱性)を基礎とした体育手技操作法である。


=野口整体=
野口整体は、野口晴哉氏によって行われていた操体法と姿勢均整法また触手療法を混ぜた療術である。
気の流れを調整することにより自然治癒力に働きかける方法で「活元運動」「愉気法」「体癖論」から構成される。


=筋膜リリース=
筋膜とは筋肉を包む膜のことで、ウェットスーツのように体全体に張り巡らされ、表層から深層まで立体的に包み込むため、組織を支える第二の骨格であるといわれている。
筋肉がスムーズに動くためには、筋膜の滑りの良さが必要である。
筋膜リリースとは、筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、正常な状態に戻すことを言う。


=オステオパシー=
オステオパシーとは、オステオ「骨」と、パシー「病理、治療」の組合せ語で、いわゆる「骨格の治療」という意味で、アメリカのA.T.スティルという医学博士(1828〜1918)によって1874年に創始されている。
骨格などの運動器系、動脈静脈リンパなどの循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経系などを元に施術する。


=マニピュレーション=
マニピュレーションは、「操作する」という意味で、筋や関節の治療に用いられる整体手技テクニック。
筋肉の過緊張を緩めて関節の運動を正常に整え、神経の活動レベルを一時的に下げて深い休息を与える事で体を回復させる施術方法。



『野口整体:体癖論』
1種から10種までの体癖はそれぞれ特定の腰椎の運動特性と関係が深いとされる。
11種と12種はやや特殊で、全体的な感受性の鋭さ、鈍さが特徴である。

<<上下型(頭脳型)1種・2種>>
腰椎1番でバランスを取り、太りにくく細長い体型で、首に特徴がある。
非常に理屈っぽく、言葉に敏感であり被暗示性も強い。
そのため、言葉やイメージからの思い込みだけで病気になったり健康になったりする。
会話にリアリティがあり面白い。
長い睡眠時間を要し、ストーリーのある夢をよく見る。
前屈みの姿勢をとる場合は、首から上が前へ出ることが多い。
大義名分や真理、ルールにこだわるため、当人が大義名分とみなせるだけの理由をみつけないと行動できない。
上空から俯瞰するような視点で世界をとらえようとすることから、上下型は最も野生味が少なく仙人のよう。
服装は地味なものを好むことが多い。

1種は余剰エネルギーの大脳昇華傾向が強い。
首が長くしっかりしているが、疲れると首の後ろが痛くなる。
肩幅は狭く胸板は薄めで、四肢の筋肉はあまりつかない。
多くの男性は、程度の差こそあれ1種体癖の要素を持っているとみなす考え方があり、男性特有の感受性・思考特性として語られる特徴の多くは1種体癖の特徴であるとされる。
音楽を聞くときは、旋律(メロディー)に注目しやすい。
⇒腰椎1番、5番、腸骨の上下運動、アキレス腱

2種は同じように考えることが得意だが、1種と異なって言葉よりもイメージ先行であり、自ら言葉にまとめようとすると割り切れなくなり、思考が行き詰まる。
そして考えが行き詰まると胃の調子が悪くなるなどすぐに体に出る。
疲れると首の横の胸鎖乳突筋が痛くなる。
もしくはこめかみ(前頭部)に緊張を覚える場合も多い。
心配性の傾向があり、あれこれ考えて対応に追われることが多い。
後頭部が絶壁で、顔の頬骨が目立つことが多い。
甘いものが好きな傾向にある。
家族への執着が一番強いタイプでもある。
⇒腰椎1番、5番、腸骨の上下運動、アキレス腱、肩甲骨を内側によせる


<<左右型(消化器型)3種・4種>>
腰椎2番でバランスを取り、生理的な好き嫌いの感情が感受性の中心である。
左右のどちらかの足に体重が大きく偏る。
したがって靴底は片足だけが減りやすい。
消化器を中心にした空間感覚で、空間に対する対立感が弱く、やわらかいコミュニケーションを得意とするのが特徴だが、これはふつうの人が会食をすることで緊張をとろうとする効果とよく似ている。

3種は胃腸が丈夫で食欲旺盛で料理好きであり、風邪を引いても食欲が無くならない。
感情表現が豊かで人当たりがよく、対人関係が得意。
片付けが苦手。
記憶力は良い(理解しなくても記憶ができる)が、部分だけ見て他を忘れる傾向がある。
色彩感が豊かで、音楽を聴くと音色に注意が行く。
理屈には弱い方で、物事を好き嫌いだけで判断する傾向が強い。
権威ある人の話などを鵜呑みにしやすく、流行やブランド志向が強い傾向にある。
体型や顔はやわらかく丸い印象があり、腰が細く、色白の美人が多い。
⇒腰椎4番、2番、胸椎8番、腸骨の左右の上下運動

4種は感情的なのだが、内向しやすい。
感情の起こりは速いが持続ができず、悪い感情は表に出ないまま残っていて、生理的な面に影響しており、周期的に下痢をおこしてバランスをとる。
痩せ気味で骨ばっており胸板が薄目、背中がまっすぐな姿勢のことが多く、やや怒り肩に見える場合が多い。
太れない。
ファッションセンスがよく、清潔感を重視する。マゾヒズム傾向があり、泣ける映画を観て一緒に泣いて発散したり、人から怒鳴られたりハッキリと言われたりするとスーッとしたりする。
動き全体が直線的で硬い。
⇒腰椎1番、2番


<<前後型(呼吸器型)5種・6種>>
腰椎5番でバランスを取り、利害得失が感受性の心である。
直立している時は体重が足の前にかかるが、お辞儀をするときにお尻が飛び出して足の後ろに体重が移動する。
合理的で、損得計算が得意。
肩に特徴があり、前屈み姿勢になることが多い。
前屈み姿勢は、常に一歩先のことを意識しているとも言え、時間軸上の緊張感と関連がある。
団塊の世代はじっとしていることが我慢できない前後型が多いという指摘がある。

5種は行動的な合理主義者でスポーツマンタイプであり、体型的に肩幅が広いV字型の胴体。
呼吸器が丈夫。ながら勉強を好んだり、仕事を並行して進める特徴がある。
目立ちたがり屋であり、人を集めてわいわい騒ぐことが好き。
行動しながら考えるのを好み、じっとしているとかえって疲れ頭が働かない。
胸を張って反り返っていることが多い。
気張りが多いため、人が見ているとついつい気取ってしまったり、威張ってしまったりする。
借金をしたりして、不安を抱えているときの方が活動的であり、満たされてしまうと怠惰になる。
音楽ではテンポ・リズムに気が向きやすい。
⇒腰椎1番、恥骨

6種は呼吸器が過敏または弱く、あごを突き出したり肩が前へ出て前屈みな姿勢が多い。
すぐにハーハーと息切れがする。
あごが尖っている、あるいはしゃくれていることが多い。
三白眼で目玉の白眼が目立つ傾向がある。
新鮮な環境を好み、非日常的な場面やイベント、たとえば引っ越しや転職、異常事態や祝祭空間で元気が出たり、他の体癖ではうろたえてしまうような混乱した状況下でむしろ冷静に行動できる。
胸にロマンを秘めたタイプ。
注意の集注欲求が強く、無意識のうちにヒステリーを起こし体調を崩して周囲の関心を引こうとする傾向があるが、その欲求を相手が認めることでサッと回復する。
小さい音がしても勉強できない。
非常に良く食べるが、食欲があるというよりも、食べないと体が持たないのではないかと言う不安から食べている場合が多く、この点で3種とは異なる。
つねに情報過剰で進歩が速い今の時代は、6種体癖が適応しやすく数が増えつつあるという指摘がある。
⇒腰椎1番、恥骨


<<捻れ型(泌尿器型)7種・8種>>
腰椎3番を中心とした捻る動きに特徴があり、勝ち負けが感受性の中心である。
負けず嫌いの闘争型でつねに誰かと勝負をしている(ただし、他人と比較されることは嫌いである)。
文字を書く時にはまっすぐ書くことができず、身体を斜めにして書くか、紙を斜めにして書く。
机や椅子に対して斜めに座る人は捻れ体癖の可能性が高い。
天の邪鬼であり、人から言われたことには無意識に反発する。
エネルギーが鬱滞すると、後先を考えずに衝動的な行動に出てしまう傾向が強い。
武術家、格闘家には圧倒的にこの体癖の人が多いという。
身体を捻る動作に関連して、疲れは腎臓に出やすく、汗をかきにくく湿気に弱かったり、尿意を急に催したりする。

7種はがっちり型の闘士タイプ。
手ごたえを求め、常に表立って誰かと競争している。
緊張感が無いと満足できず、常に言い過ぎ、やり過ぎの傾向がある。
上半身を捻る動きが得意。
自分より弱いものには威張るが、自分より強いものにはお辞儀をする。
親分肌で浪花節を好む。
負けや非を認めたがらず、謝ることが嫌いであり、自分が勝つまでずっとトランプなどをやったりする。
見た夢は忘れてしまう。
よく響く声をしているので歌手に多い。
四肢の筋肉が発達しており、足首が太い。
2種体癖に対して特に攻撃的であるが、9種からは上手にあしらわれこき使われる傾向がある。
音楽では音の強弱(ボリューム感)に注力しがち。
⇒腰椎3番

8種はやはり闘争型だが7種とちがって消極的である。
外から見ると分かりにくいが、本人の中で密かにライバルに対して闘争心を燃やしている。
下半身を捻る動きが得意。
話を誇張してどんどん大きくする傾向がある。
不潔・劣悪な環境に強い。逆境に強く、ふつうの人ができないことや避けようとする地味なことをあえてコツコツとやろうとするボランティア精神があるが、褒められても素直に喜べない。
すごく変わったものが好きな人が多い。
正義感や同情心が強く、敗者や弱者、駄目男にも惹かれ易い。
お世辞や冗談をあまり言わない。
水分の排出能力が弱くむくみ気味で、汗をかきにくいか、あるいは大汗かきである。
四肢よりもお尻にボリュームがある。
⇒腰椎3番


<<開閉型(骨盤型・生殖器型)9種(閉型)・10種(開型)>>
腰椎4番でバランスを取り、愛憎の情が感受性中心である。
世話好きで人の面倒を見たがるが、自分が人に世話になるのは好まない。
原始的・野性的で直感が冴えているタイプ。

閉型(へいけい)9種は、凝り性・完璧主義で、天才的な発想ができる。
執念深いところがある。
他人から指示を受けても、なぜそうする必要があるのか、自分が完全に納得しない限り動かない。
勘が鋭く細部にまで気がつく職人気質であり、指導者としては厳しくなることが多く、一方人から頼られると放っておけないところもある。
味方と敵との区別を独断ではっきりもっている。
非常に集中力が強く長時間持続する。
空間的な緊張感がきわめて強い。
オタクにはこの体癖が非常に多いとされる(その次に1種が多いとされる)。
睡眠時間は短い(二度寝でかえって不調となる)。
動作のテンポが非常に速い。
10種と異なり、身内の世話を見るのが好き。
かかとをつけてしゃがむ姿勢が得意で、この姿勢で頭がよく働くために和式便所に長く入ることを好む人が多い。
部屋の隅にいるのを好む。
音楽を聴く時は、音が鳴っているところよりも間(ま)や裏拍に注意がいく。
頭の幅は狭く、すねは短く内股気味、胸板は厚め、骨盤は狭く厚い。太りにくい体質。
⇒腰椎3番、4番、胸椎11番、腸骨

開型(かいけい)10種は、親分肌の傾向があり、他人をひきつける華やかさをもつ。
プレゼント好きで気前がよい。
大変な世話好きで、対象も人間に限らずネコなどを拾って育てている人も多い。
身内に対しては無頓着な傾向にある。
聞き上手だが、9種と対照的に非常に忘れっぽい。
出産後に太ることが多く、後ろから見るとお尻が大きいが平らで、横から見ると薄い形をしている。
体重は両足の外側と後ろ側に偏るが、しゃがむときだけは内側に偏る。
腸骨が開いてからだが弛緩した状態。
動作のテンポはゆったりとしている。
両足を腸骨の幅に広げた状態で、かかとをつけたまましゃがむことができず後ろにひっくり返る。
部屋の中央や、人の輪の中心にいるのを好み、注目を集めることで発散する。
ストレスがあるときは延々と長話をすることで発散しようとする。
極みがない「○○道」などの修行・稽古を好む。
⇒骨盤神経層


<<遅速型 11種・12種>>
1種から10種が偏り傾向の種類であるのに対して、遅速型については身体の反応のしかたの敏感度や速度に注目しており、著しく過敏なタイプと遅鈍なタイプをそれぞれ特に11種および12種体癖と呼んでいる。

過敏型11種は、からだの反応が過敏なタイプ。
ちょっとしたことですぐ体調を崩す。
ただし、虚弱なようで大病にはなりにくい。
体重の偏りは一定せず、測るたびに移動する。
他者との共鳴性が高く、相手の意識や身体状況を感じ取りやすい。
優柔不断で人から頼まれると断れない。
見知らぬ人から突然話しかけられたり、お説教されたりする。
例えるなら、猫のような性格の人が多い。
⇒全身弛緩

遅鈍型12種は、からだの反応が鈍いタイプ。
病気になりにくいが、だから安心という訳でもなく突然大病になるケースが多い。
体重の偏りは一定不変で、何年経っても同じ結果になる。
⇒腸骨の萎縮=腰部の硬直



『野口整体より身体観察に学ぶ』
●1種体癖以外の人が胃が悪くなると、胸椎6番が下がるが1種はあがる
●何かあると泌尿器に変動が現れやすい人は身体が捻れている。小便が出ないとき
 は左の内股を緩める
●消化器系統の風邪には「脚湯」
●呼吸器系統の風邪には「足湯」
●胸椎1番、2番、3番を緩めれば目の疲れはぬける
●左の鼻から息を吸って右から吐けば頭はクリアになる。逆は休まる
●梅雨時期のだるさ息苦しさは坐骨神経周辺の筋緊張が原因
●飲みすぎたときは左右へいっぱい体をひねり力を抜き…を3〜5回繰り返す(胸椎
 10番を意識)
●右足首硬直は食欲不振となる
●下痢が止まらない時は腰椎4番の左側、便秘の時は腰椎2番の左側が緊張して
 いる
●月経痛は腰椎1番と腰椎4番のねじれ
●性の勢いのない人は後頭部がやせ首に力がなく腰が伸びない
●耳下腺の硬結と不妊症、発育不全とが関係しているかも

 
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このページは、千里堂治療院第100回研修会資料をもとに構成しました。 資料作成には以下の文献を参考にさせていただいています。 ありがとうございました。

−参考文献−
*野口晴哉著『整体入門』筑摩書房
*野口晴哉著『風邪の効用』筑摩書房
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