千里堂はり灸マッサージ治療院 土曜・日曜・祝日も開院しています!
地図 予約方法 トップページ
www.senrido.com
写真でみる千里堂   開院時間   施術コース・料金   予約方法   スタッフ勤務予定   はり治療Q&A   サイトマップ
  千里堂治療院トップ研修会の様子>肝臓の機能と肝硬変

肝臓の機能と肝硬変(第116回研修会資料より 2019年)

 
 
● 肝臓の機能と肝硬変 ●  『かんこうへん』

■肝臓とは
右の肋骨に守られるように存在する、人の体で最も大きな臓器。
体重の約50分の1を占める。(成人男性では1.2〜1.5kg)
肝動脈と門脈という2つの血管によって血液が流れ込み、肝静脈で流れ出ていく。
肝動脈:心臓からの血液により肝臓に酸素を配給する
門脈:消化管で栄養を吸収した血液を肝臓に運ぶ

肝臓内で肝動脈と門脈は枝分かれして細かくなり、肝小葉の中に入り込む。
肝小葉には50万個の肝細胞が集まり、肝臓にはこの肝小葉が50万個ほどある。
→肝臓には2500憶もの肝細胞がある。

しかし、すべての肝細胞がフル稼働しているわけではない。
部分的に肝細胞が壊れるなどの不測の事態に備えて、代替できる予備能力を備えている。
その再生力は70%を切り取っても再生して元の機能を回復できるほどである。


■肝臓の3大機能
・栄養の代謝
・有害物質の解毒
・胆汁の分泌

肝臓=「沈黙の臓器」
肝臓には神経が通っていないため、肝臓がなんらかの病気で多少機能が低下しても、自覚症状として現れないことが少なくない。
体調の異常を感じたときには、すでに肝臓の病気がかなり進んでいることもまれではない。


■肝機能低下のサイン
・だるい、疲れやすい
・食欲がない
・熱っぽい
・体がかゆい
・酒が急に弱くなった
・足がむくむ
・便の色が白っぽい
・尿が黄褐色
・爪が白くなる


■肝硬変とは
原因としてはさまざまなものがあるが、原因が何であっても肝細胞が徐々に壊れて炎症が長い間続くと慢性肝炎という状態になり、壊れた肝細胞を修復しようと繊維が増えていき、「再生結節」という構造ができる。
その結果、肝臓全体がごつごつと岩のように固く小さくなり、肝臓が本来の機能を果たせなくなってしまったものを肝硬変という。

生き残った肝細胞や再生した肝細胞がまだ十分にあり症状がほとんどないか、あっても軽微である状態を「代償性肝硬変」という。

肝臓や周辺臓器の障害が高度で、肝硬変独特の症状や合併症が出現してくる状態を「非代償性肝硬変」という。


■肝硬変に特徴的な症状
・くも状血管拡張→首や前胸部、頬に赤い斑点ができる。
・手掌紅班→掌の両側が赤くなる。
・腹壁静脈拡張→臍の周りの静脈が太くなる。メデューサの頭。
・黄疸→白目が黄色くなる。
・こむらがえり→手足がつる。夜から明け方、ふくらはぎに多くみられる。
・女性化乳房→男性でも女性ホルモンがあるが、肝臓での分解が低下するため乳房が大きくなる。


■肝硬変の合併症
@食道・胃静脈瘤:破裂すると消化管内に大出血→吐血・下血
A腹水:血漿やリンパ液が外に漏れ出て、腹部にたまる。
B肝性脳症:アンモニアが解毒、分解できず、血液から脳に達する。


■肝硬変に対する治療
基本的には線維化した肝臓の組織を元に戻すことはできず、以前までは肝硬変の根本的な治療はないとされてきた。

しかし最近になり、C型やB型肝炎ウイルスを原因とする代償期の肝硬変では、抗ウイルス薬で原因のウイルスを排除すると、徐々に繊維が吸収されていくことも報告されている。
アルコール性肝炎が原因であれば禁酒、非アルコール性脂肪肝炎による肝硬変なら、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を食事療法などで改善する。

だが、一般としては線維化した肝臓組織が元に戻ることは難しいので、肝硬変の症状への対症療法が基本となる。
非代償期まで進行すると様々な重い症状が出てきて通常の生活を送ることが難しくなり、ときには命に関わることもあり、何より肝がんが発生する確率が増すため、肝硬変の治療の最大の目標は、病態の悪化を食い止め、できるだけ長い間そのときの状態を維持するのがポイントになってくる。


■腹水の最終的治療法:腹水濃縮再静注療法(CART)
これにより、腹水中のウイルスや細菌なども除去され、アルブミンの血中濃度が上昇するので、再び腹水がたまる速度を遅らせることができ、患者のQOL向上につながる。
健康保険が適用され、2週間に一度受けることが可能。
ただし、発熱、血圧上昇や低下、嘔吐などの副作用が報告されている。


■肝硬変とサルコペニア
通常、肝臓では食事から得られたエネルギーを蓄える。
しかし、肝硬変で肝臓の機能が低下している人は、肝臓でのエネルギーの貯蔵量が低下する。
エネルギーの不足を補うために、筋肉でたんぱく質が消費され、筋肉量が減少することで、サルコペニアが起こると考えられている。

肝臓の疾患は基本的には安静にしているより、適度な運動(ウォーキングなどの有酸素運動が推奨されている)をするほうが肝臓の回復によいとされているが、肝硬変でサルコペニアがみられる場合は、無防備に運動すると肝臓に負担をかけて肝硬変を進行させる危険があるため、医師に相談する必要がある。


■肝臓病予防のための生活習慣
・節酒と禁煙
適正飲酒量はビール中瓶1本、ワイングラス2杯、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯のいずれかひとつ程度。
週に最低2日は休肝日を設ける。
お酒を飲みながらの喫煙は、悪酔いのもととなる酵素であるアセトアルデヒドをつくることとなり、肝臓に負担をかける。

・肥満を解消する
検査値で中性脂肪が多かった人は、結果的に脂肪肝になり肝機能低下につながる。

・食事はバランスよく食べ、食後30分は安静に
肝細胞を修復するためには、細胞の構成主体であるたんぱく質の十分な摂取が必要になる。
また、肝臓は食後30分〜1時間後にフル活動するので、できればこの時間は安静にするのが一番。

・余分な薬・食品添加物を避ける
薬を飲むと、肝臓は薬を分解するために働かなくてはならず、その分肝臓に負担をかけてしまう。
食品添加物を多く含んだ加工食品はなるべく避け、外食を減らして自然のものを用いた手料理を食べる。

・十分な休息と睡眠をとる
疲れた時や食後などは、右を下にして横たわり、肝臓に多くの血液を送るようにする。
横になると肝臓への血液供給量が立っているときの4倍になる。
「十分な睡眠時間=肝臓の栄養供給」の時間となる。


このページは、千里堂治療院第116回研修会資料をもとに構成しました。 資料作成には以下の文献を参考にさせていただいています。 ありがとうございました。
−参考文献−
*泉並木『肝臓病 ウイルス性肝炎・肝臓がん・脂肪肝・肝硬変』主婦の友社
*日本消化器病学会編集『患者さんと家族のための肝硬変ガイドブック』南江堂
*川口光彦『肝臓病になったら真っ先に読む本』現代書林
−ホームページ−
*難治性腹水症に対する腹水濾過濃縮再静注法CART
*TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」
*みんかぶ保険 記事・コラム
写真でみる千里堂 / 開院時間 / 施術コース・料金 / 予約方法 / スタッフ勤務予定 / はり治療Q&A / サイトマップ